やりたいことがわからない本当の理由
幸せって「透明感のあるツヤ肌」
私たちは、誰もがとてもユニークな存在。
同じ指紋の人が、世界に2人いないように、
ひとり一人、”まったく違った価値観”を持っている。
「世界に一つだけの花」
って、曲があるけれど、まさに、私たちは、そういう、唯一無二の存在。
タンポポが、バラと比べて、自分は、劣っているとか、美しくないとは思わない。
だから、そもそも、比較するのは、ナンセンスなんです。
でも、人間は、その、”比較”を、めちゃくちゃやってしまう・・・。
すごい美人と、自分を比較して、劣等感を感じてみたり、
仕事ができない同僚と、自分を比較して、優越感を感じてみたり。
ひとり一人、まったく違った価値観を持っているのだから、
”何が成功で、何が幸せであるか”
という定義も、本当は、ひとり一人、違うはず。
「読書」が最高の価値観の人は、
読みたい本を好きなだけ読めることが、成功・幸せ。
「美容」が最高の価値観の人は、
”透明感のあるツヤ肌”をキープすることが、成功・幸せ。
「ボディビル」が最高の価値観の人は、
逆三角形の広背筋(こうはいきん)を作ることが、成功・幸せ。
「ブランドバック」が最高の価値観の人は、
バーキンとケリーの両方を買うことが、成功・幸せ。
でも、私たちは、小さい頃から、
「お金持ち」「地位・ステイタスがある」
「有名人」「頭がいい」「好きなことを仕事にしている」
「カッコいい・美しい」「結婚してる」「子どもがいる」「健康である」といった、
”すごく限られた成功・幸せの定義”
を教えられて育ちました。
あまりにも、繰り返し、
「これが幸せだよ」
「これが成功だよ」
と、刷り込まれてきたから、もう、まったくなんの疑いもなくそう、信じきっている。
自分の価値観(内なるハートの声)を、一切、無視して、
人から教えられた「成功・幸せ」(外側の声=他人の価値観)を、実現することが、
”自己実現”(自分のすべきこと)
だって、本気でそう思い込んでいる。
いやいや、それ
”他者実現”だから。
おーい、それ、あなたの価値観じゃないよ。
他人の価値観だよ。
もう、いい加減、目を覚ましなよ。
どんなに、そう呼びかけても、
その声は、まったく、ハート、魂に届かない。
それほど、深く深く、眠ってしまっている。
そうやって、外側の声に耳を傾けて、他人の声に従ってしまったから、
内なる声、つまり、ほんとうの自分の声が、聞こえなくなってしまった。
そうやって、自分が誰なのか、何がやりたいのか、何が好きなのか、何にをするために生まれてきたのか、
ぜんぶ、忘れてしまった・・・。
これが、やりたいことがわからない、本当の理由。
内側にいる支配者
では、外側の声とは、いったい誰の声なのか?
それはズバリ、”権威”です。
権威とは、文字どおり、
”権力を持っている人”
のこと。
他者を服従させる、
”支配者”
と言ってもいいでしょう。
私たちの人生に、最初に登場する権威は、
”親”
です。
もう、この権威は、圧倒的な支配者。
私たちは、幼少期に、ほとんどの、外側の声(社会通念、常識、道徳観念)を親を通じて、無意識に、自分の中に取り入れてしまう。
「子どもは親の背中を見て育つ」
って言われるように、子供は、親の真似して、コピーする。
例えるなら、パソコンのOS(オペレーティング システム)のようなもの。
両親が使っているOSが、「ウインドウズ7」なら、その子供は、無条件で、「ウインドウズ7」を自分のOSにしてしまう。
つまり、親のOS(価値観、考え方)を、丸ごとコピーしちゃうということ。
そのまま、大人になってしまうと、
”完全な親のコピー人間”
が出来上がってしまう。
だから、
”反抗期”
が存在しているのです。
「うるせえ、くそババア」って、私も散々、やったけれど、(汗;
そうやって、親に反抗的・批判的になることで、自分の中に取り入れてしまった、親の価値観を「デトックス」(解毒)している。
思春期に、親に反発して、親を嫌うことで、幼少期に、自分の中に取り入れてしまった親の価値観(外側の声)を、吐き出している。
反抗期は、
”依存”している(物理的にも、精神的にも)
親(権威)から、
”自立”する(自分本来の価値観で生きる)
ための、”通過儀礼”(プロセス)なのです。
だから、きちんと、
”親(権威)に反発して、親を嫌いになれた人”
は、大方、デトックスができている。
問題なのは、
”なんでもいうことを聞く、素直ないい子”
だった人。
そういう人は、大人になっても、親の期待に応えて、生きようとしてしまう。
本当は結婚したくないのに、「親が期待しているから・・・」と婚活している女性は、すごく多い。
そうやって、無意識のうちに、自分の内側にいる支配者に、服従する生き方をしてしまう。
そうしているうちに、自分がどうしたいのか、何をしたいのか、わからなくなってくる。
あ、ちなみに、親は何も悪くありませんからね、念のため。
お父さんも、お母さんも、同じように、自分の親からウインドウズ7をコピーしただけですから。
で、おじいちゃん、おばあちゃんも、そのまた親から、コピーした。
で、ずっーと、さかのぼっていくと、
人類の、”集合的無意識”
に、行き着く。
だから、根っこは、実は、みんな同じ。
つまり、「社会通念」「常識」「道徳観念」って、集合的無意識が、生み出したもの。
多くの人たちが、この集合的無意識(自分ではないもの)の声に、従って生きている。
だから、みんな、ほんとうの自分が誰なのか、わからなくなってしまう。
こいつが、私たちを内側から支配している、”黒幕”の正体”なんです。
日本人が信じる「宗教」
”外側の声”(集合的無意識の声)は、幼少期に、”親という権威”を通じて、私たちの中に刷り込まれていた。
で、無事に、”反抗期”を経て、呪縛から、自由になって、成人しても、社会には、たくさんの”権威”が待ち構えている。
教師、医者、会社の上司、マスメディア、宗教指導者、経済的な成功者、自己啓発セミナーの講師などなど。
社会には、本当に多くの、権威がいて、
「これが成功だ」「これが幸せだ」
と、毎日のように、私たちに、
”集合的無意識の価値観”
を、刷り込んでくる。
だから、そういう外側の声に、まったく影響を受けずに、生きるのはほぼ不可能です。
宗教が絶大な影響力を持つ海外では、キリスト教やイスラム教といった宗教の指導者が、たくさんの人たちの思考(マインド)を事実上、支配している。
ちなみに、これも、集合的無意識です。
しかし、日本人の信じる神は、イエスでも、アラーでもない。
日本人の大多数が信じている宗教は、お金、つまり拝金主義。
これが、日本人の集合的無意識の価値観。
だから、日本では、”お金持ち”が絶大なパワー持ち、「権威」になっている。
あなたの周りの人たちや、あなたが所属するコミュニティで、ちょっと、考えてみてください。
他の誰よりも、お金持ちの声・意見が、大きくありませんか?
美女やイケメンよりも、お金持ちの言うことに耳を傾けていませんか?
100メートルを10秒で走れる人よりも、お金持ちの話を「ありがたい」って聞きませんか?
大学院を出て「博士」(ドクター)を取得した人よりも、お金持ちがリーダーになっていませんか?
でも、それって、なぜ?
冷静になって、考えたら、おかしくありません?
どうして、お金持ちがそんなに偉いの?
どうして、みんなお金持ちを無条件で、「すごい!」って思っちゃうの?
なんか、おかしくない?
今まで、そんなこと、考えたこと、なかったかもしれません。
でも、それも仕方ない。
だって、
「お金をたくさん持つのが成功だよ」
「お金があれば幸せになれるよ」
って、幼い頃から、繰り返し、教えられてきたから。
だから、もう、なんの疑いもなく、
”お金をたくさん持っている人がいちばん偉い”
と、信じきっている。
気づいていました?
つまり、日本人のほとんどが、”拝金主義”という宗教を信じているということ。
日本では、お金持ちが、キリスト教やイスラム教の指導者と同じぐらい、パワーを持っている、”最高権力者”なのです。
日本人にとっての、「六本木ヒルズ」は、バチカンの「サン・ピエトロ大聖堂」や、エルサレムの「嘆きの壁」のような存在。
ちなみに、「拝金主義が悪い」「お金持ちが悪い」という話ではないので、念のため。
世の中に、価値・サービスを提供することで、大勢の人たちに貢献し、「公平な価値の交換」の結果として、お金持ちになった人たちは、当然、リスペクトされる対象です。
また、
「お金ですべては買えないけれど、お金でほとんど、買うことがきる。」
とはある、お金持ちの言葉。
お金は、便利で大切なツールであるということも、間違いありません。
けれど、問題は、私たちは、ひとり一人、
”まったく違った価値観”
を持っている、ユニークな存在であるのに、
お金持ちという、
”たった1つの価値観だけが、素晴らしい、価値がある”
と、信じてしまっていることなのです。
そうやって、お金持ちを崇拝し、上に見上げてしまうと、
自動的に、自分(の価値観)を、卑下して、下に見るようになる。
すると、相手のように、なろうとして、自分を変えようとしてしまう。
私たちは、
「自分らしい自分」「ほんとうの自分」
になるために生まれてきたというのに、他の誰かのようになろうとしてしまう。
「ひまわり」の私が、「バラ」になろうとするようなもの。
自分以外の誰かになろうとするから、
自分の価値観(内なる声)がわからなくなってしまう。
みんな気づいていないけれど、世の中の、大勢の人たちが
このパターンにはまってしまってる。
でも、もう目を覚まそう、私たちは、他の誰かになるために、生まれてきたわけではないのです。
「嫉妬は無知のあらわれであり、人マネは自滅行為である」
ーアメリカの思想家、ラルフ・ワルド・エマソン
人の悪口を言いたくなる理由
お金持ちなどの、”いわゆる成功者”を上に見上げて、相手のようになろうと、
自分を変えようとすることの、弊害は、
やりたいことがわからなくなってしまう
(内なる声が聞こえなくなる)
ことだけではありません。
相手の方が、自分よりも上だと思い込むと、自動的に、自己卑下をしてしまう。
自分は、「ダメだ」「できていない」「間違っている」と、「劣等感」や「恥」を感じてしまう。
相手の方が、素晴らしい、優れていると錯覚し、嫉妬したり、うらやましいと、感じてしまう。
誰かを上に見れば、見るほど、自分のことを、取るに足らない、ちっぽけな存在だと思うようになる。
そうやって、自分本来の価値が、大きく損なわれてしまう。
自分の価値を認められなくなって、自信を喪失してしまう・・・。
つまり、過度に、他人を尊敬したり、崇拝してしまうことは、「劣等感」や「自己否定」の、大きな原因。
他人と自分を比較して、相手に嫉妬してしまうと、劣等感・自己否定の、負のスパイラルに、はまってしまうのです。
そして、もうひとつ、お金持ちなどの、”いわゆる成功者”を上に見上げて、相手のようになろうと、自分を変えようとすることの弊害は、
「ネガティブ感情のABCD」
を、感じやすくなること。
「○○さんみたいに、なりたい!」
「○○さんみたいに、成功したい!」
と、どんなに努力したところで、自分以外の誰かになることなんて、不可能なのです。
だから、まったく、思い通りにならない。
すると、自分や他者に対する、
「怒り」(Anger)
「非難」(Blame)
「批判」(Criticism)
「憂うつ」(Depression)
といった、”ネガティブ感情のABCD”が、わきあがってくる。
「どうして私ばっかり」と、被害者になってみたり、人の悪口ばっかり言うことで、自分を正当化しようとする。
一見、これって、悪いことのように思うけれど、こういったネガティブな感情は、
「他人の価値観で生きているよ」
「自分らしく生きていないよ」
ということを教えてくれる、サイン、フィードバックなのです。
そんな風に、いつでも私たちは、内なる声の方に、耳を傾けるように、促されているのです。
「仏を殺せ」の本当の意味
中国の禅僧、臨済義玄(りんざい・ぎげん)は、弟子たちに、こう言ったそう。
「本質や真理を、知りたかったら、他人に騙されてはダメだよ。
内でも、外でも、出会ったものは、すぐに殺しなさい。
仏に会えば、仏を殺し、
師に会えば、師を殺し、
聖者に会えば、聖者を殺し、
父母に会えば、父母を殺し、
親戚に会えば、親戚を殺しなさい。
そうすることではじめて、目覚めることができて、
何ものにも縛られない、真に自由な人生を生きられるのだよ。」
と。
「仏を殺せ」なんて、ものすごく、過激なことを言っているけれど、これは、比喩であって、本当に殺しなさいと、いう意味ではないのです。
あなたの、内側にある、仏や、師、聖者、父母、親戚といった、
”外側の声”
をすべて、捨てなさい。
そうすれば、あなたは、ほんとうの自分である、内なるハートの声とつながって、真に自由な人生を生きることができるのだよ。
と、言っているのです。
これって、ここまで書いてきた
”やりたいことがわからない本当の理由”
の話と、完全に、一致します。
そして、それは、まさに、こんまりちゃんが、言っていること。
ときめかないモノ(外側の声)は、捨てなさい。
すると、ときめくモノ(内なるハートの声)だけが残る。
実は、すごくシンプルなことだったのです。
自分の中にある、他人の声を捨てることで、ほんとうの自分に目覚め、やりたいことをやって自分らしく、自由に生きる人生へと、シフトすることができる。
だから、やりたいこと(内なる声)を見つけようとするのではなく、やりたくないこと(外側の声)を捨てることが、何より大切なのです。
「偉大なるガイドはあなたの内側にいる」
ーオーラソーマ創始者、ヴィッキー・ウォール