関節リウマチ患者の実体験「鎮痛剤ロキソニン」の重大な副作用
リウマチ暦40年 痛み止めの専門家
私には、若い頃から、関節リウマチの持病がありました。
リウマチは、全身の関節の骨が次々に破壊される、病気です。
私の場合は、手の指の骨や、首の骨(頚椎)が、
破壊されて、変形してしまっています。
”生きたまま骨を砕かれる”
のだから、それはもう激痛です。
以前は、24時間365日、鎮痛剤が、手放せませんでした。
というわけで私は、「鎮痛剤」(痛み止め)のちょっとした専門家なんです。
最も多く使った鎮痛剤は、
NSAIDs系
私が、47年の人生でもっともたくさん飲んで、乱用した鎮痛剤は、
「ロキソニン」(ロキソプロフェン)。
「抗炎症作用」「鎮痛作用」「解熱作用」がある、
「非ステロイド性消炎鎮痛剤」(NSAIDs=エヌセイズ)と、呼ばれる、鎮痛剤の一つです。
ちなみに、「バファリン」や、「ボルタレン」もこの仲間。
「ロキソニン」は、リウマチ患者の痛み止めとして、処方される、第一選択薬。
痛みがより、ひどい場合は、「ボルタレン」が処方されることもある。
(私も一時、ボルタレンを使っていました。)
ちなみに、歯医者さんで抜歯したときに、処方される鎮痛剤も「ロキソニン」です。
ロキソニンは
リウマチ患者の「命綱」
NSAIDsの鎮痛剤は、日本で処方される薬剤の中で、最強クラスの鎮痛効果を持つ。
即効性があるので、リウマチの骨破壊による痛みが、
ロキソニン一錠でピタリと、止まってしまう。
激痛のために、寝たきりの状態だったとしても、
ロキソニンを飲むと、健常者と同じように、外を出歩けるようになる。
だから、重度のリウマチ患者にとって、ロキソニンは、「命綱」のような存在。
ロキソニンを切らしたら、激痛で、身動きできなくなってしまうから、
私は、お守りのように、常に肌身離さず持っていました。
これは、完全に、鎮痛剤への依存です・・・。
私が経験した重大な副作用は
「隠れ腎炎」
NSAIDsは、とにかく、よく効く。
その代わり、副作用も、すごく怖い。
私が体感した副作用は、まず、「体の冷え」。
真夏でも、ずっと体が冷えていて、ほとんど汗をかかない。
真冬は、もう本当に体が冷えて、冷えて、
足先の感覚がなくなって、自分の足じゃないみたい。
で、いちばんヤバイと思ったのは、「血尿」が出たこと。
あわてて泌尿器科に行ったら、「隠れ腎炎」と診断されました。
泌尿器科の医師から、ロキソニンの乱用で、
腎臓がダメージを受けていると言われました。
ちなみに、「ロキソニン」は、「医者が飲まない薬」として有名。
消化管出血や腎不全のリスクがあるからです。
「医者が処方した薬だから安全」
というのは、幻想です。
以前は、ロキソニンも、ボルタレンも、
医師の処方せんがないと手に入らなかった。
けれど、今では、ドラッグストアで、薬剤師の立ち合いがあれば買える、
「第1類医薬品」として、カンタンに手に入ってしまう。
だから、ちょっとした痛みでも、気軽にロキソニンを使う人が増えている。
本当に、痛みでつらいときには、こういう薬が必要なこともあるけれど、
安易に飲むには、リスクが高すぎる薬だと、個人的には思います。
すべての医薬品には、「添付文書」というものが存在していて、
そこに、可能性のある副作用がすべて記載されています。
(「添付文書 薬品名」でGoogle検索するとヒットします。)
「ドラッグストアで売っている薬だから安全」とか、
「医者に処方された薬だから安全」というのは、幻想です。
副作用のリスクをちゃんと、自分で調べて、
人任せにせずに、”自分の身は自分で守る”
のが賢明だと、すごく思います。
「ロキソニンの代用」
として使える痛み止め
また、痛みがそれほど強くないときに私が飲んでいたのは、
「タイレノール」(アセトアミノフェン)と、いう解熱鎮痛剤。
こちらは、鎮痛効果がやや弱いものの、NSAIDsと違って、
消化管出血などの副作用がないことで知られています。
ただ、大量に服用すると、肝障害のリスクがあるということ。
私は、痛みが強くて我慢できないときは、ロキソニン、
それほどでもないときは、タイレノールというように飲み分けていました。
鎮痛効果がある「漢方薬」
また、個人的には、漢方エキスの「麻黄附子細辛湯」
(マオウブシサイシントウ)に、すごく助けられた。
この漢方薬には、体を温めて、痛みを和らげる効果があります。
しかも、即効性があるので、飲むとすぐに体がポカポカしてくる。
私の場合は、体が冷えると、痛みも強くなるため、
そういう面でもすごく助かりました。
ちなみに、麻黄附子細辛湯は、病院でも処方してもらえるし、
ドラッグストアでも買えます。
「ツムラ」の製品が一般的ですが、
「コタロー」のカプセルタイプも効果は同じです。
漢方薬は、一般の薬と比べて、副作用がそれほど、強くないのも安心です。
鎮痛剤(痛み止め)の話は、次回に続きます。
*鎮痛剤を使用するときは、必ず、主治医か薬剤師に相談しましょう。
また、今回、紹介した鎮痛剤を使うときは、自己責任で使ってください。